歴史など。

オステオパシーは1874年にアメリカ人、アンドリュー・テイラー・スティル医師により発表された療法です。
語源は、古代ギリシャ語のΟστό(オスト 骨)から、骨に対応する療法というスティルの造語。
その始まりは手技によって全身の歪みやひきつれを解くことによって、体が自ら治せるという考察から始まったようです。

現在アメリカでは歴史的な背景もあり、手術や投薬も行うメディカルドクターと同じような立場にいながら、手技療法も学ぶというスタンスになっているようです。

その哲学、手技療法の部分はヨーロッパ経由で日本へ、アメリカからカナダ、オーストラリアなど世界中に広まっています。

日本においてのオステオパシー

海外のセミナーに出てスキルを学んだ人が広め出して20数年くらいで、現在は外国のオステオパシー校を卒業した方や、元々日本の臨床家であった人がセミナーで学んで、講師として指導されているようです。
学校は各種学校といういう位置づけで、国から医療行為として認められてはいません。

より詳しく→オステオパシーWikipedia

出羽三山にて

オステオパシーの哲学
1、人は体と心、そして魂の統合体である。
2、機能と構造は関連し合う。
3、自然に治す力を信頼する。

ここで改めて気がつく人もいるのではないかと思います。心と体が表裏一体である部分であるとか、東洋医学の思想と通じている。そして魂。魂の定義は様々あると思いますが、スティルがどうしてそのような事を伝えたかったのか、その背景に何があるのか、興味深いところです。
そこに機能と構造の関連性。物理的に変化が起こる事を大事にした。科学的に何が起こっていて、構造的にどのように変化して、人は癒えるのか。それを確かめていく。この部分はまさに西洋的といえるとおもいます。東洋的なホリスティックな考え方と、西洋的な具体性が合わさっている。だからこそ構造単位で(筋肉・筋膜・骨・血管・リンパ・神経系)感覚を深め、知識と統合させて施術を行う事で、曖昧ではなく着実に、幅広い確かな効果を上げて、各国でとりあげられていったのかもしれません。

対応症例:腰痛、ぎっくり腰、肩、首、膝など、各部分の痛み。神経痛、痺れ、自律神経失調などの神経症状。めまい、喘息、不妊、顎関節症、過敏性大腸炎、鬱状態、心の不調などの慢性症状。運動機能の向上。

オステオパシーの役割

東洋医学は中医学でいう経絡とか経穴の概念など、古来から伝わるマニュアルが既にあってそれを生かして、人の役に立てていくう体系だと理解しています。
一方オステオパシーにおいては、それぞれの療法家の力量に応じて、体の状態を体感し、解剖や生理学の知識と合わせて、繋がりを理解して、原因を紐解き、治癒へ向かう助けをしていきます。
なので、この部分がリリースされたら、ここもあそこも、こんな変化を起こした、こんな繋がりがあるのか。とか、ここがこれくらい正常に稼働しているのに、何かが足りない、それは特定の栄養素なのか、なんなのか。といった発見があります。

東洋医学との繋がりもより明確になります。例えば、ここの経穴って本当に書物に書いてある通りに関連しているんだな。とか、この部分がもっと栄養されるように特定の栄養素を補った方が良さそう。というような事が感覚を通して、それを知識と統合して理解できるということは。それぞれの医療分野の専門家にとって、何より健康になるためにどうしたら良いか、何から手をつけたらいいかわからないという人達にとって、役立つ存在なのではないでしょうか。