土中環境 山形 升形造作8

大地の再生

以前高田博臣さんの千葉ダーチャ醤油搾りのイベントでご一緒させていただいた、石井さんよりお誘いいただき、秋田の由利本荘へ。

そこでは環境再生医、矢野智徳さんによる「大地の再生」の講座に参加させていただきました。土中環境の高田宏臣さんも矢野さんのところで学ばれていたのだそうです。

今手がけている升形の土地に対して自分にできることはなんなのか、土地入り口部分の水の流れは3分の2ほどおさまってはきていたけれど、相変わらずかつて砂利を敷いたであろうところはヘドロのような臭いがしているし、一つめの段丘下の水の染み出しや出てきたゴミをどうしようか。

気脈水脈を読むとはどういうことなのか、知りたくて、かねてより気になっていた矢野智徳さんの講座というのもあり、参加させていただきました。

里山保全のための環境見立て講座〜東由利ぽろたん栗の山再生〜

4つの環境分類と8つの環境ファクター

午前中は座学の講義。

1、大地環境

①表層地形

②土壌

③地形

形と質と重さがその土地をみる鍵になる。

2生物環境

④動植物層

⑤生活層

脈によって生かされた生き物たちによって変化した、土の種類に応じて層ができる。

生き物たち。植物は動かず、動物は動く。

3気象環境

⑥水

⑦空気

気象環境。通常、気象というと、大地の上の環境を見たものだけれども、大地の中も含めた循環を見ていく。

地上部の風と空気の動き、地下の風と水の動きを点で表現してみると、そこに脈が、層が見えてくる。

植物は脈を追いかけて存在しており、根の形はその脈のかたちに沿う。

4宇宙環境

⑧宇宙(空間・エネルギー)

宇宙との関わり。

天体の粒状の分布が渦を巻いている。

潮の満ち引きがポンプのように波動のように伝わる。

コンクリートなどによる停滞域があると、それが伝わらなくなる。

この四つの世界の中でつながり連動している。

流域生態系は家族のようなもの。地理の視点に脈の視点を加えること。

水と風の点をとってみると、線が見えてくる。それは脈につながる。

脈、層をそれぞれに見つけること。大元は渦流。

その土地の表情を追う

そのためには実際にその場に赴き、5感を通した観察に伴う体験が大切。

動植物と柵(しがらみ)

柵(しがらみ)現代では利権構造でがんじがらめで動けない社会や人間関係を指してしがらみがあると言うような表現をするけれど、本来は古くから伝わる土木の環境造作を表す言葉の一つであるそうです。

圧がかかりながら水や空気が動く状態。穏やかな優しい空気が森に入るように。耐圧機能、濾す機能、保水機能。バクテリア〜小動物たちも呼吸できる環境。その動物たちが、植物たちが支えている、結の関係。その場所の空気と水の循環を担ってくれている。目的は同じ。

それにより空気と水が清流になる。

葛やイタドリ、ウツギたちは、まさに自然の柵のようなものを作って土地を守ってくれていた。

彼らは弱っている植物の根っこに変わって空気や水の流れを通している。渦の風を作り、優しく穏やかにし、大地を覆い水分を保っている。

つる植物を根本から切らなくても(切っても根は生きているので翌年生えてくる)渦に巻いて自分自身に絡める、リースのように丸めると大人しくなるそうです。

小さな働きかけが大きな力となる。

水脈〜流域(その敷地内とマクロである地域の流域はどうか、両方の視点が大切)川は大地の血管。毛細血管が丈夫であることはマクロの視点で見れば大河を助ける。全ての流れは一つの湧水から。

コンクリートで塞がれたり、特に採石の中に上下から泥が溜まってしまうと通期不良層ができてしまう。

けれどその砕石層の横にモグラ穴を空けるとその層にヒビが入るそうです。三角ホーという尖ったクワのようなもので要所に穴を空けながら教えてくださいました。

ほんの5センチ数センチから大気圧を使って変化する。

開発などで脈の循環が悪くなったことで、アクのような細かい粒子が至る所に発生し、川は赤く濁り、流域を詰まらせた。

人が働けば大地は3の力で返してくれる、動植物、大気に伝わり相乗効果で桁違いに、10倍くらいに良くなる。

そのことを矢野さんが今まで行ってきた活動を通して変化した土地を見てご自身で体験されたことに基づき午前中に話してくださったことを思い出しました。

ヤンバルの森

空気と水を通したことで、大地と生き物たちの働きによって数年で驚くほど蘇った。

住環境

形、質、重さの変化、決定的に変わったのは地形。そこに大地の脈と気象との関係は語られていない。

人工的な構造物の中にあっても、表層の水脈と地下の脈をつなげることができる。それをつなぐ植物の移植。脈に絡めて高木低木灌木、動植物達も戻ってきた。

風景、実態としての空気と水の循環、空気が繋がる、埃やアクの消失。駐車場が埃のなくなる空間に。

空気と水の循環が絶たれると、グライ土壌へ、腐ってヘドロ状態 動植物が弱る。

これが積もり積もることで流域災害が起こる。

一番大切なことは脈が詰まらずに空気や水が循環すること。

人の体にも同じようなことが言える。心身が滞り、脈が塞がると、良いものが入らず、悪いものは出ていかない。いずれは大きな病気やアクシデントが起こる。人の体も、ミクロの意味での自然。その意味で自然環境は人の体であると言えるのだと、自分の思いもより強いものになりました。

枝の関節の範囲の応援 眠りの呼吸 脈が育つということ

氷の力、雪を通して雪の隆起の隙間から大地に脈を通す。

冬の大地の呼吸、人の体を眠りの呼吸が最も癒してくれるように、大地を癒す。秋田の人たちは自分の地域のことを尋ねられると、何もないところだとよく聞いたけれど、その土地ならではの自然の豊かさに応じたものがきっとある。そう仰る矢野さんの言葉には説得力があったし。

そこに集まった人々の顔を見ていたら、羨ましいような、自分も、山形にもきっと同じような、また独自の魅力があるに違いないと、胸が躍利ました。そしてこの地で今回このような催しのきっかけを作った、80歳を越える年齢で、ほったらかしにされる栗山が勿体無いと、草刈りなどを自ら行い出した日出夫さんに胸をうたれました。

アナスタシアにも書いてあったように、寒いほど、雪に覆われるほどに育まれる特色を持った杉のようなものもいる。

今年の最上地方、11月2日には雪が降り始めました。

冬の前に風通しや土に点穴を掘ったりすることはとても良いことだそうです。

草の腰丈、風に対して草自身が風圧や雪で折れていく揺らぎ、ポンプの圧力が変化する場所。でそこを見つけて手折っていく。

そうすると、春の芽吹きが優しく、根の呼吸、土の呼吸が変わり、動植物に伝わり、土の中の層も絶妙にヒビが入ったり、その連動環境全てが良くなるのだとか。

地上部の風通し、風の道をつなぐ獣道、獣たちを誘導するように風水の循環、脈が決めている。風道を探しながら獣道を作る。

脈が健全化していれば、雪解けは早くなる。

地上部の風を動かしてやることで、大地の脈が育ってくる。

枝葉の伸び方の次元が変わる。

これまでの項目、矢野さんの話し言葉を交えながらの感想でした。

抽象的な表現が多く、詩を唄うように話される方だなあという印象で、心地よい時間でした。

それでいて、その取り組みの地理的な下地はしっかりとされていて、現代の構造物も否定するのではなく、生かすような方向性に、共感を覚えました。

これから自分で試していって、また行き詰まったりしたら、お話を伺いたい方、巡りあわせていただき、感謝です。また機会があったら東由利のぽろたん栗の山に足を運んでみたいです。

自分の姿勢を振り返る

升形の土地はどうであったろう。最初は同じように見えていた場所も、所々で植生が違っていたりした。そこにいた動植物達、大地の表情がその層を教えてくれていた。

①向かって左側の盛り土部分。葦よりもススキや蔦類が多かった。ススキは株立になり、凸凹地形。その他に葦やフキや蓬、ヒルガオ、アケビ、ハルジオンなどが生えている。浅いところから粘土質。

②③砂利を敷き詰めてあるところに泥詰まりしていた。セリや菖蒲など浅い水辺を好むような植物がいた。左側に溝をつけると、水の流れが止まるとともに植物達は消えていくが、泥臭さは増えてしまう。水も風も澱み呼吸不全を起こしている。草の仕事を邪魔してしまった。

④向かって右側の盛り土部分。桑やアジサイ?に葛が巻き付いていた。植物の種類は少ない。葛を刈った後にはカキドオシが多く見られた。斜面下の部分は柔らかくてフカフカな土で、斜面上にいくにつれ固く締まって浅い部分から粘土質。

⑤ 七竈、水木、紫式部、山桜(伐採した)は20年ほど前に植えたそう。ナラ、栗は自然に生えてきたもの。笹(おそらく移植時に一緒に入ってきたもの)。浅い部分から粘土質。栗の生えているところはわりと柔らかい。水が鬱滞しているところがある。

⑥⑧水が豊富なところを中心に葦が元気に勢いよく生えていた。葦が生えておらずミゾソバが多いところはかつて民家があったり人がよく使ったところかな。水が豊富なのだけれど、アクのようなものが出ているから、どこかが詰まっている。それを取り除いていってあげたい。地下の水脈との繋がりを蘇らせたい。以前バーク(木屑)を大量に敷いたそうで全体的にふかふかぐちょぐちょ。以前池があったであろうところには砂利や砂が埋められていて、掘り起こすと灰色の砂と砂利、その下に粘土層がある。

⑦杉林との境界に近くなるほど葛や藤が多く、高木がないところはイタドリに絡まって覆っていた。

⑨イタドリと葛、山側にはスギナが多かった。葛やイタドリの根を掘り起こしながら耕し来年の畑の準備をした。

⑩斜面はイタドリや野薔薇?タニウツギ?に葛などのつるが絡まっていた。笹もたくさん。

矢野さんの話を聞いて。喧嘩をしているように、息苦しく気持ち悪く見えた様子に、増え過ぎてしまったものを間引くような、そんなつもりで向かい合っていた自分の姿勢を見直す必要があると、矢野さんの柵や草木に対する考え方を聞いていて思いました。蔦を根元の方から切ってしまいにするだけではなく、くるくる巻いて結んでいくことは、これからその場所の空気と水が優しく通るように、大地深くまで呼吸できるようにしていくからね、と約束するような、彼らの役割を引き継ぐような、そんな気持ちで向かい合えるようになりました。ただの知識や技というのではなく、その奥にある結の気持ちで向き合うこと。それが土地を手入れする造作に現れている。なぜか、やっていて、やった後の感覚も、気持ちがいい。きっとそれが大事。そのことに気がついたこと、それが自分にとっての一番の収穫でした。

春一番にやるべきことが見えてきた気がします。今から楽しみです。

母の部屋に、土地に生えている葛のつるでリースを。杉の葉、朱色はツリバナの実、紫式部。

草刈りと炭作り

雨が多かったり、12月2日には雪が降り出したので、そこまで多くのことはできなかったけれど、笹薮を刈ったり、炭を作ったりしてきました。進めていくと、山の斜面に立派な防空壕が見えてきます。いつも野菜をくださったりよくしてくれる近所のかなうちさんの話だと、戦時中この地に飛行機を隠していたとかで、爆撃の対象になり、各家庭で防空壕を作っていたそう。山頂が不自然に平らなので不思議に思っていたけれど、飛行機の滑走路があったのだなあと、納得でした。昔かなうちさんのお婆様にあたる方が若い頃に脳卒中になってしまい、ここならばお清(おすず 湧水)があるから生きていけるだろうと、お父様に連れられ来た地であったそう。今では井戸水はなんとか汲めるそうだけれど、雨の日などは濁るのだとか。以前はとても美味しい湧水が沸いていたというこの場所はきっと地形を崩され、脈が弱り、枯れていったのかもしれません。けれど今でもまだ湧き出しはあるし、また美味しい湧水が蘇るよう、希望を持って少しずつ進めていきたいと思っています。

笹薮や葛のつる、ウツギ?などを刈っていった後。

炭作りは母が芋を焼きながら火の番をしてくれました。

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