土中環境 山形 升形造作2

5月に引き続いて。6月も升形の造作(のつもり)を行ってきました。

ひと月で大変化!草木が伸びる力

とりあえず、たった一ヶ月の間の景色の変化にびっくり!

葦とイタドリが背丈よりも伸びている!葦なんて2メートル以上はありそう。あんなに切った葛のつたも復活して絡まっている!圧巻。

植生

主に伸びていた植物たち。落ち着いてきたらゆっくり観察してみたいです。

。。。稲科、ヨシ属の多年草。元々アシと呼ばれていたが、悪しと言う言葉に通じるとのことでヨシと呼んでいる地域が多いよう。関西方面ではアシ、お足(お金)に通じるためか、そのままアシと呼ぶ。河川や湖畔などの水辺を好む。地下茎で群落を作り、没食子酸のアレロパシー作用により、葦の群落の中に他の植物は育たない。

確かに少し蔦や葛はいたけれど、葦の群落の中に他の植物はほとんどいない。

葦簀(ヨシズ)になったり、楽器になったり、紙になったり、田んぼの肥料になったりと。昔は様々活用されていたみたい。

薬効:根茎の細かい根を取り除き、乾燥させて用いる。漢方では盧根(ろこん)という。利尿作用、消炎、止渇、鎮吐作用がある。

自然浄化作用がある植物、水や空気をきれいにしてくれる。

イタドリ(虎杖)。。。タデ科の多年性植物。若葉を揉んで傷口につけると痛みを和らげることに役立つと言うことで「痛み取り」が転訛して名付けられたのが通説。スカンポとかスイバとか各地によって呼び方がさまざまある。

山形県の舟形町で育った母はドゲガラと呼んでいる。

イタドリに葛の蔦が巻き付いたりしている。

やや湿った所を好み、撹乱を受けた場所にいち早く出現する先駆植物。東アジア原産だけども、アメリカやヨーロッパで帰化して強害草という位置付けになっている。数十センチ〜高いもので2メートル近く大きくなる。

地下茎部分は冬越しできる多年草で、中空の竹みたいな茎を太く長く伸ばす。乾燥すると結構しっかりしているので、土中環境改善の造作にも使えそう。

薬効:新芽が食べられる。独特の爽やかな酸味あるが、シュウ酸もあるため、食べ過ぎによる下痢に注意。高知県の方では苦汁を含んだ塩で新芽を揉むことによってシュウ酸を取り除き食べやすくしている(マグネシウムとシュウ酸イオンで、不溶性のシュウ酸マグネシウムにすることでシュウ酸を取り除き、有用な有機酸のみを残す)。高知すごい。

生薬:虎杖根(コジョウコン)便秘、月経不順 

虎杖の根にはレスベラトール(高い抗酸化力を持つポリフェノール)が含まれており、海外では廉価なレスベラトールサプリの材料になっている。

ミゾソバ。。。タデ科タデ属またはイヌタデ属。東アジア(日本、朝鮮半島、中国)に分布。日本では北海道、本州、四国、九州の小川沿いや沼沢、湖岸などに分布。特に田んぼのコンクリートで護岸されていない用水路など、水が豊かで栄養価が高めな場所に群生している。

葉っぱの形が特徴的で、ウシノヒタイの名もある。金平糖みたいな可愛い花をつけるけれど、花期は晩夏から秋にかけて。

葦の中ぽっかりと空いた空間にミゾソバが群生している。元々家が立っていた場所で、肥沃で土の質が微妙に違うのかも。

石田散薬という民間薬の原料。新撰組副長を務めた土方歳三の生家で製造販売していた薬で、骨折や、打身や捻挫、切り傷に用いる。河童明神より作り方が伝わったそう。。。

ミゾソバを目方10分の1くらいになるまで天日で乾燥させたものを焼いて、鉄鍋に入れて日本酒をかける、その後また乾燥させて、薬研にかけて粉末にする。

ラベンダー色をしている。それを熱燗で服用する。

ちょっと作って試してみたいかも。。

ガマ(蒲)。。。ガマ科ガマ属抽水性の多年草。別名、ミズクサ、カマ

北半球の温帯から熱帯の暖かい地域。オーストラリアの広範囲。日本においても北海道、本州、四国、九州に分布。

沼、川、湖などの浅い水辺を好む。

草丈は1〜2メートル。水中の泥の中に地下茎を張り、葉の断面は、三日月型をしており、中はスポンジ状。

花期は6月から8月 風媒花、花が終わると、雌花穂1.5〜2センチくらい太くなってソーセージみたいなあの感じになる。綿毛を付けた実は水面に落ちるとすぐにタネを放出して水底に沈んで、そこで発芽する。

薬効:漢方では蒲灰散、蒲黄散として利用される。利尿、通経作用。

黄色い花粉には、フラボノイド配糖体のイソラムチネン、脂肪油、αティファステローム、βシステロール、ブドウ糖などを含む。

イソラムチネンには収斂作用があり、止血作用や、皮膚を引き締めしっかりさせてくれ、脂肪油によってコーティングして守ってくれる作用があると考えられている。

日本古事記の、因幡の白兎のお話で、大国主命に助けてもらったお話にも出てきます。神話って創作の中に、本当に役に立つ語り継ぐべき大切なことが記されているものかもしれませんね。

若葉は食用になり、葉や茎はむしろや簾のなどの材料になる。

蒲の穂を乾燥させて蚊取り線香の代用に使われることもあるそう。

アカソ。。。山地の湿った場所を好む。紫蘇に似ているけれど、葉先が鉾のように三裂する。茎が赤い。食用しているという話はあまりないようだけれど、若芽を天ぷらにしたら普通に美味しかったという感想の記事を見たので今度試してみたい。

スイバ。。。イタドリの別名にもスイバがあるけれど、別物。タデ科の多年草 ヨーロッパではソレルと呼ばれる。北半球の温帯に広く分布。日当たりが良く湿気のある場所を好み、人里に生える。

薬効:虎杖と同じくシュウ酸を含み酸っぱい。食べ過ぎ注意。他、糖、脂肪、アスコルビン酸。根にはアントラキノン体であるクリソファノール、エモジン、クリソファノールアンスノン、タンニンを含み、緩下作用がある。がんの抑制効果。

葉の絞り汁、、水虫、タムシ(塗布)魚による食当たり(飲用する)

生薬:酸模根(サンモコン)秋に茎葉が枯れ始めた頃に根を掘り出して用いる。疥癬などの皮膚病の治療薬。

ミント? どこから来たのか。ミントっぽい香りがするけど。

刈る

みんな面白いし、このままにしておきたい気もするけれど、何にも見えないので。地形や水の流れの確認、どこに池や溝を掘るかを決めるため、膝丈あたりで高刈りを試みました。もしこれからしていく自分のやった造作が気に入ってくれたら、ちょっと移動したり、居心地いい場所を見つけてください。

風が通ると気持ちよくなりますねー。

母の話によると、20年近く前に実家の田んぼがあったところに小屋を立てるための材料にと、段丘にあった木をかなり切ったそう。赤松が多かったとか。そうやって撹乱されたところを支えようと、イタドリはいち早く根を張り、土地を支えてくれていたのかもしれません。

また木を植えて、育っていくにつれて、穏やかになってくれるといいな。

結構刈りました。膝丈くらいで、風の草刈りをイメージしてやってみたけど、地下茎の葦に対してそれが正解なのかはわからないまま。

母も張り切ってくれちゃって、自前の草刈機を出してくれ、足が悪いので、地面スレスレでけっこう刈ってくれました。17年以上前に植えたミョウガが育っていると喜びながら。

刈り方による違いも次回行った時の楽しみの一つです。

地形を見る

米太平山、米湿原の麓に金堀沢川を挟んで、升形川との間に位置している。水が豊富に集まりそうな地形。上の方はだいぶ平で探索できるようにしたら楽しそう。水の通り道を見つけてしっかり流れるようにしたら、気持ちよくなりそうです。

溝と池の位置を決める

母に昔池があった場所を聞くと、やはり特に水が染み出していて、葦や蒲が元気なところであったので、そこを掘って作りたいと思います。

掘り上げた土はマウンドにして、木をうえます。

溝は排水を促し、地中深くまで通気浸透性が増すように、溝を深めに掘って、点穴をあけて、枯れた葦などの有機物と炭を組み込んでみたいと思います。

東京都八王子市恩方の森、枯れ沢復活&蛍を飛ばす会

地球守の千葉ダーチャ、醤油搾りのイベントで知り合った鍼灸師のみどりさんよりお誘いいただき、自分で考えた通りに池を掘ったり溝を掘ったりしていいものかどうか不安もあったし、勉強になるかなと。6月28日のイベントに参加させていただきました。

東京都八王子市恩方の森、枯れ沢復活&蛍を飛ばす会

沢に水が流れている。枯れていない。最初は人が入れないような道なき道であったそう。長く造作を続けられてきた跡、台風や土石流、蛇落で自然が一気に、または雨風で少しずつ広がった沢の道を通らせていただき。自然と人の共同作業の喜びをこの人たちは感じてきたんだなあと思うと。励まされると同時にちょっと羨ましいような気持ちになりました。造作には正解なんてなく、気持ちいいと感じたこと、きっとこうすれば道が開け、水と風が呼び込めると思うようなことをやってみる、自然に教えてもらいながら。そのような姿勢を見ることができたこと、その結果を見せていただけたこと。それが自分にとって何よりの学びになりました。

イベント前日は、普段ぐっすりの自分が珍しくワクワクしているのか夜中に目が覚め、冴えてしまい。あまり寝られなかった中、6月には珍しい猛暑。午前中の造作が終わる頃にはちょっと気持ち悪く大丈夫かなあと。

午後。沢の流れを妨げている泥や堆積した枝葉を取り除く造作をさせていただ木、水に勢いが出てどんどん流れる様子をみて感じていると。なぜか気持ちよくなってきて(施術の時に自分自身が整う感覚とも似てるかも)終わる頃には心地よい疲労感はあるものの、おおむね元気になっていました。自分の中の水と風と、外のそれはきっとつながっている、それを体感させてもらったのかも。

升形のU字溝や小川の泥を上げていた時にも感じたこの感覚。気持ちいいし楽しいし、たくさんの人に味わってほしいな。自分の身近にもやってみたい人がいるだろうか?子供たちにも体感してみてほしいなあ。ハマりそう。

しげちゃんはじめ皆さん、本当にありがとうございました。距離もあるしそうそう行けないかと思っていましたが、また行きたいなあ。

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